こんにちは、ミサコです。
北海道には「絶景」と呼ばれる場所がたくさんありますが、その中でもひときわ異彩を放つ場所があるのをご存知ですか?
一歩足を踏み入れると、そこはまるで地球ではないような…。
あるいは、世界の終わりのような…。
そんな不思議な感覚に陥る場所。
それが、道東・別海町(べつかいちょう)にある野付半島(のつけはんとう)の「トドワラ」と「ナラワラ」です。
名前だけ聞くとなんだか呪文みたいですが、その景色は美しくも儚い、「死」と「生」が隣り合わせになったような独特の世界。
旦那様と二人、あまりの異質さに言葉を失い、ただただ風の音を聞きながら歩いた時間は、今の私の心に深く刻まれています。
今回は、いずれ消えてなくなってしまうかもしれない「今しか見られない絶景」、トドワラとナラワラについて、たっぷりの写真とともにご紹介します。
エビの形をした不思議な砂嘴「野付半島」
まず、場所のご説明から。
野付半島は、知床半島と根室半島の間に位置する、全長約26kmの「砂嘴(さし)」です。
海流によって運ばれた砂が堆積してできた地形ですね。
地図で見ると、まるでエビが背中を丸めたような形をしています。

両側を海に挟まれた細長い一本道(フラワーロード)を走るドライブは最高!
…と言いたいところですが、この日はあいにくの曇り空。
でも、この鉛色の空が、これからの風景には似合っていたのかもしれません。

車を走らせていると、海の上に不思議な光景が見えてきます。
立ち枯れたミズナラの森「ナラワラ」
半島の中程にあるのが「ナラワラ」です。
ここは、かつてミズナラなどの広葉樹が生い茂る森だった場所。
しかし、地盤沈下によって海水が入り込み、木々が立ち枯れてしまったのです。

白骨化した木々が、海の上に骸骨のように立っています。
その数、何千本とも言われているとか。
風雨にさらされて白くなった幹が、静寂の中に浮かび上がる様子は、美しいけれどどこかゾッとするような迫力があります。

ここは車窓から眺めるスポットですが、思わず車を停めて(安全な場所に)、しばらく見入ってしまいました。
「自然の力って、残酷で美しいね…」
旦那様の言葉に、深く頷きました。
地の果てへ…「トドワラ」への遊歩道
さらに奥へと進み、ネイチャーセンターに車を停めて、今度は「トドワラ」を目指して歩きます。
トドワラは、トドマツの森が同じように立ち枯れた場所です。

遊歩道の入り口には「この世の果てへようこそ」なんて看板はありませんが、そんな雰囲気満点。
右も左も湿原と海。
風が遮るものなく吹き付けてきます。

辺り一面、茶色く枯れた草と、灰色のアシ。
その中に、ポツンポツンと立つ枯れ木。
BGMをつけるとしたら、間違いなく哀しいチェロの音色ですね。

歩いていると、エゾシカの群れに遭遇しました。
こんな何もない場所で、たくましく生きている姿に少し感動。

彼らにとっては、ここが楽園なのかもしれません。
消えゆく絶景、トドワラボート桟橋
遊歩道を20分ほど歩くと、かつて観光船が着岸していた桟橋に到着します。
しかし、ここも嵐の影響で壊れてしまい、今は立入禁止になっているエリアも。

傾いた木の道、崩れ落ちた板。
これもまた、この場所の「終わりゆく美」を象徴しているようです。

トドワラの枯れ木は、年々風化して倒れていっているそうです。
あと数十年、いや数年後には、ここにある木々は全て倒れて、ただの湿原に戻ってしまうかもしれないと言われています。

私たちが目にしているこの景色は、まさに「今この瞬間」だけのもの。
そう思うと、一本一本の枯れ木がとても愛おしく思えてきます。
野付半島のもう一つの顔
「この世の果て」のような景色ばかりをお伝えしましたが、野付半島には明るい魅力もあります。
それは、豊かな海の幸!

ネイチャーセンターでは、名物の「北海シマエビ」を使った料理などが楽しめます。
私たちも少し遅めのランチをいただきました。

茹でたてのエビは甘くてプリプリ!
歩き疲れた体に染み渡る美味しさでした。
(花より団子、ならぬ、枯れ木よりエビ…でしょうか?笑)
アクセス・注意点
野付半島へのアクセス情報です。
- 場所:北海道野付郡別海町野付
- アクセス:中標津空港から車で約40分
- 駐車場:野付半島ネイチャーセンターにあり(無料)
注意点:
先端部までは車で行けますが、トドワラへは徒歩(片道約30分)またはトラクターバス(有料)での移動になります。
海風が強くて寒いので、夏でも羽織るものを持っていった方がいいですよ。
(私はウインドブレーカーを着て正解でした!)
まとめ:静寂の中に身を置く贅沢
トドワラ・ナラワラは、決して「楽しい」「華やか」な場所ではありません。
でも、心の奥深くにズドンと響くような、重厚な感動がありました。

何もないからこそ、風の音や波の音、鳥の声が鮮明に聞こえる。
自分の足音だけが響く道を歩いていると、日々の悩みなんてちっぽけなことのように思えてきます。

いつか消えてしまうかもしれない絶景。
北海道に行かれる際は、ぜひ少し足を延ばして、この「最果て」の空気を肌で感じてみてください。
以下、今回の旅の記録です。
寂寥感(せきりょうかん)あふれる美しさをご覧ください。
それでは、また次回の旅でお会いしましょう!ミサコでした。


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